番外編【ＳＦとしてのサクラ大戦】

ＳＦはサイエンス・フィクションの頭文字で、直訳すれば「空想科学小説」でしょうか？
不二子・Ｆ不二雄氏は「すこし不思議」と訳されていましたが、氏の作品は本当にそれを物語るものばかりでした。
で、この観点でサクラ大戦を見た場合はどうなるのかなぁ？というのが発想のきっかけとなりました。


まず「時は太正。所は蒸気機関によって発展しつつある帝都東京。」
これは立派なパラレルワールド（平行宇宙）ＳＦです。


ところで「パラレルワールドて何？」と思われた方はいませんか？
専門的に解説すると長くなりますが、簡単にいっちゃえば「ちょっとだけ違う別世界」がいくつも横に広がっているという仮説。
池に浮かんだ無数の花びらの一つ一つが別の世界だと考えると、判りやすいと思います。
水に浮かぶ花びらは時に重なり合う事もありますが、花びらそのものが無くなる事はありません。
その花びらの命が終わるまでは。
元々は同じ花だったかもしれません。でも離れたその時から、花びらは別々の道を辿るのです。


で、その花びらの一つ一つに「あなた」がいるのです。
ある世界では大富豪の子で、別の世界では商人の子かもしれません。
又別の世界で事故で早死にしていたり、そもその両親が結婚していない＝元々「あなた」が存在しない、という可能性もあります。
これがパラレルワールドです。


小生が感心した設定の一つに「ゲティスバーグの奇跡」があります。
平成日本でもそれは南北戦争で北軍が大勝利した事であり、サクラの世界でもそれは同じなのですが・・・・それを呪術戦争に置き換える。
呪術に対抗する手段が見つかった＝科学の勝利みたいな描かれ方をしているのです。
さすがというか、お見事というべきか？


それから「光武」。これはパワードスーツの一種と考える事が出来ます。
人間の本来もっている能力を強化する為の服。
確かに・・・・鋼鉄製だったり合金製だったりで、お世辞にも手軽に着れる物ではありませんけど、一応はね。（苦笑）
光武は蒸気機関と霊子力機関併用という設定なので、乗ってる人間が次第に疲れてしまう＝長時間の搭乗が困難なのが弱点です。
怖いですねぇ。（笑）


又「霊力」という設定は、ＥＳＰ（超能力）に近いものがあります。
事実、アイリスが使う瞬間移動（テレポーテーション）、念動力（テレキネシス）。エリカの治癒能力やロベリアの炎等は超能力そものの。


でもそう考えると、大神さんは何の力も無いような気もします。が…実は皆様のご存知の通り（笑）
おろらくこの世界の霊力は「闇のものに対抗する為の力」であり、ある意味「意志の力」、「信じる力」なのだと思われます。
だから花組のみんなは魅力があり、かつ（人によっては過剰すぎる程）の自信を持っているのです。
だからこそ「守りたいもの」がある大神さんはあんなに強いのだと、小生は思います。


もっとも・・・・細かくみると訳わかんない事がいっぱいあるのも又事実。
紅蘭の爆発とか（本当にボイラーが爆発するならあの程度で済むはずが無い）、キネマトロンのどこにボイラー（蒸気機関）があるかとか、グリシーヌの斧はどこから出てくるとか・・・・・・本当に色々とありますです。
これを全部解明するのは、フリークといえども結構大変ですねぇ。あはは。
もっとも・・・・だからこそ楽しい＝やりがいがあるのかもしれませんけど、ね？(自爆）


（この文章は　2003年04月05日に掲載されました）

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